ひでちゃんのオリジナル短編小説

1分で読めるオリジナル短編小説📖 魔法の野菜やおしゃべりロボット、ちょっと不思議でかわいいキャラクターたちが大冒険! 子どもへの読み聞かせにもぴったりで、読んだら思わず笑顔になっちゃう💫 ひでちゃんオリジナルの楽しいお話たち💕

短編小説】雨の日のバス ― 甘酸っぱい出会い ―

 

 

 

雨が降る朝。

 

水たまりに反射する街灯。傘を差す人々。

女の子は少し早めに家を出て、バス停に立っていた。

 

「今日も来るかな…」

 

心臓が、いつもより少しだけ早く鼓動する。

だって、雨の日だけ乗ってくる彼がいるから。

 

普段は自転車で通学している男の子。

けれど雨が降ると、バスに乗る。

 

今日も、雨音の中でバスがやってきた。

 

扉が開くと、彼が座席に腰掛けるのが見える。

窓越しに目が合う。

 

「…おはよう」

 

小さく呟く声に、女の子の頬がほんのり赤くなる。

傘を閉じる手が、少しだけ震えているのが自分でも分かる。

 

バスが揺れるたび、二人の距離はほんの少し縮まる気がして、

でも話す言葉はなくて、ただ心臓だけが騒いでいる。

 

外の雨音に混ざって、女の子の胸の高鳴りがリズムを刻む。

いつもの通学路が、今日は特別に見える。

 

「雨の日って、悪くないな」

 

そう思うのは、彼に会えるから。

雨の匂い、バスの揺れ、濡れた傘の軋む音…

全部が甘くて、切ない気持ちを運んでくれる。

 

バスが次の停留所に着くと、彼はいつものように自分の席から降りる。

女の子も息を整え、傘を差し直す。

 

「また明日、雨降るといいな…」

 

心の中でそっと呟く。

雨がもたらす小さな奇跡を、女の子は今日も胸にしまうのだった。

 

 

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